「住商ショック」再び?総合商社が恐れる悪夢

アフリカのニッケル生産で巨額減損を計上

アフリカのニッケル案件で巨額の損失を計上した、住友商事の本社(写真:ロイター/アフロ)

「住商ショック」が再び起きてしまうのか。

住友商事は、マダガスカルのアンバトビー・ニッケルプロジェクトに関して、市況の下落を主因に2015年度第3四半期(10~12月期)に約770億円の減損損失を計上すると発表した。期初に2300億円としていた通期の純利益計画は「未定」に変更。2期連続での期中の大幅下方修正となりそうだ。

開発当初から波乱含みだった

アンバトビーは採掘から精錬までを一貫して手がける世界最大規模のニッケル生産プロジェクト。住友商事は2005年に参画し、2007年からカナダの資源会社シェリット・インターナショナル、韓国鉱物資源公社(コレス)とともに本格的に開発に着手した。

が、精錬プラントの建設が長引き、2013年としていた完工の時期が2年も遅れ、想定外の労賃支払いや資機材高騰に見舞われた。当初37億ドルとしていた全体の総事業費は、72億ドルまで膨らんだ。

減損計上に至る決定打となったのは、中国など新興国の需要減に伴うニッケル市況の下落だ。足元では、操業コストを下回る、1重量ポンド当たり3ドル台まで下落している。資源権益の開発で同業他社に後れを取ってきた住友商事は、経験が乏しく、プロジェクト計画の策定やパートナーの見極めが甘かったといえる。

アンバトビープロジェクトは以前から市場関係者の間で「減損した場合に業績への影響が大きい」と懸念されていたが、足元の市況下落が重なり、ついに火を噴いた格好だ。パートナーであるシェリット社の資金繰りの悪化によって国際協力銀行などから受けた同社分の融資の立替返済も迫られており、短期的には返済資金の捻出も課題となっている。

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