【産業天気図・業種別業績予想集計】『会社四季報』2009年2集春号

『会社四季報』2009年2集・春号(09年3月16日発売)の最新データを基にした独自集計によれば、今09年3月期の予想営業利益(金融除く「全産業」ベース)は前08年3月期比53.9%減と前号予想(同23.9%減)から大幅に悪化した。また、来10年3月期の予想についても、今09年3月期比18.7%減、と前号予想(同2.2%減)から16.5ポイントも後退した。

08年9月の米国証券リーマン・ブラザーズ破綻による金融危機から始まった不況は、いまやほぼ全業界に影響を及ぼしていると言っていい。一方では08年秋まで企業業績の重しとなっていた原材料価格高騰から一転した価格急落という好材料があるものの、多くの業界は需要縮小の度合いがあまりに大きく、その影響に押しつぶされそうになっているのが現状だ。

※業種別業績予想集計一覧表はこちら

こうした中、今号では、前号からの下方修正業種が続出。09年3月期予想については、銀行と保険を除く31業種うち、「電気・ガス」を除く30業種が下方修正。前号では減益予想となっていた「石炭・石油製品」は赤字化(前号予想は前期比77.8%減)、「輸送用機器」や「空運」も前号の減益予想から悪化し、赤字化予想となった。また、前号でもほとんどが減益となる見通しだったが、今号ではその減益幅が拡大している業種が多い。特に目立つのが、「非鉄金属」(前号は前期比42.1%減→今号同93.3%減)や「電気機器」(前号同36.3%減→同97.4%減)、「その他金融業」(前号同32.6%減→今号同88.3%減)など。

また、10年3月期に関しても、27業種が見通しを下方修正。09年3月期赤字予想の「輸送用機器」、「空運」は連続赤字の見通し(前号では両業種とも減益予想)となっているほか、前号では前09年3月期比5.5%減にとどまっていた「電気機器」も赤字化との予想に悪化した。また、前号では増益予想となっていた「ゴム製品」(前号09年3月期比0.4%増→今号同79.5%減)や「金属製品」(前号同0.5%増→今号同36.2%減)などが一転減益予想に転落。かろうじて、増益予想となっている「繊維製品」(前号同23.2%増→今号9.8%増)なども増益幅が縮小している。

一方、「水産・農林業」(前号同7.7%増→今号同13.1%増)や「医薬品」(前号25.7%増→今号27.1%増)、「パルプ・紙」(前号15.8%増→今号37.5%増)など4業種が前号予想から増益幅が拡大。09年3月期赤字予想の「石油・石炭製品」も黒字化(前号は同154.9%増)する見通しと、前号予想から来期見通しが改善しているところもないわけではない。また、前述の「繊維製品」のように、増益幅が減ったとはいえ、来期は増益予想を死守している業種もある。

ただ、足元の業績はこれまでになく厳しいうえ、今後の見通しに関しても肝心な需要回復の兆候が見られないことから、日本の産業界にとって10年3月期は09年3月期以上に厳しい状況になることは間違いない。今後、業績の底入れ時期を計るうえで、最大の注目は次号(『会社四季報』3集・夏号)以降、10年3月期以降の予想がどのように変化していくか。また、さらなる環境悪化も見込まれる中で、前号より来期見通しが回復する業種が出てくるかにも目を配りたい。

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