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茨城空港、開港7年で見せ始めた意外な健闘 北関東の「空の玄関」、活路は陸にあった

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  • 鳥海 高太朗 航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
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茨城空港は2010年の開港時に韓国のアシアナ航空が茨城―ソウル便を就航したが2011年3月の東日本大震災をきっかけに運休。2013年にチャーター便を数回飛ばした後、ソウル往復の定期便は止まったままになっている。あとは一部チャーター便が運航されているぐらいだ。

バスで訪れる利用客の開拓が進んでいない

搭乗者は500円で利用できる(写真:筆者提供)

国内・国際線問わず、自家用車以外、特にバスで茨城空港を訪れる利用客の開拓が進んでいないという点も課題だ。茨城空港といえば、開港当初から東京駅から茨城空港まで直行する高速バスの搭乗者は500円(搭乗者以外は1200円)で利用できることが話題となったが、現在でも一般的にはあまり知られておらず、片道1時間40分~2時間半近くも要するうえ、ダイヤの使い勝手もあまり良くない。

象徴的なのは、茨城空港で唯一の国際線路線である春秋航空の上海便を利用して帰国したとき。上海からの便は茨城空港に定時では12時20分に到着となり、コンパクトが売りである茨城空港では、国際線到着後、特に日本人は入国審査もスムーズで、到着してからすぐに入国審査・税関検査を済ませて到着ロビーに出られる。早ければ10~15分程度で通過可能だ。つまり、定刻に到着すれば12時半ごろにはロビーを出られる。

東京駅行きの高速バス(写真:筆者提供)

ところが、東京駅行きのバスの発車時間は13時50分。最大で1時間20分も空港で待たされることになる。かなり無駄な時間であるが、それ以外の選択肢もない。東京駅の到着も16時ごろになり、上海からの飛行時間よりも茨城空港着陸から東京駅までの移動のほうが長くなってしまう。定刻どおりに着かないリスクや、入国・税関審査などに手間取る利用客を想定したダイヤなのかもしれないが、せっかくのコンパクトさが売りの空港のメリットを生かすことができていない。

また、茨城空港から最も近い空港である成田は、かつて国際線が中心だったものの、現在では国内線にもLCC(格安航空会社)が続々と参入し、低価格を武器に利用者が増えている。LCCの便数も増え、さらに東京駅や大崎駅から片道1000円以下で利用できる格安バスが多頻度に運行されているなど、茨城空港と競合する面もある。

車でのアクセスの場合、圏央道が成田までつながり、つくば周辺から成田空港まで1時間もかからずにアクセスできるようになったことで、茨城県民でも便数が多い成田空港からの国内線を利用している状況にある。茨城空港の頼みは北関東のマイカー利用者、それも国内線のみという状況は、利用客が増えているといっても手放しで喜べない話だろう。

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