高市政権の1年目を振り返ると、公約実現に向けて突進し続ける高市首相の政権運営が「過去にあまり例のない高支持率維持の主要因」(世論調査アナリスト)だったことは間違いない。加えて、「憲政史上初の女性宰相への期待の大きさが後押ししたことで、高市一強の持続に結びついた」(官邸筋)とみられている。
ただ、高市首相が政権発足後初めて挑んだ9月中旬の党役員・内閣改造人事が、簗和生農林水産相の“更迭劇”によって、与野党双方から任命責任を問われる事態となったのは「まったくの想定外」(同)だったとみられる。
そもそも、内閣改造前から簗氏の問題発言が地元では有名だったことは周知の事実。それだけに、「私の知恵袋」である簗氏の入閣については、事前のいわゆる“身体検査”が機能せず、官邸全体が高市首相の意向に忖度(そんたく)したことがほころびの原因とされる。
しかも、いわゆる「文春砲」の餌食になった簗氏の更迭に時間がかかったことで、「すべて自分が決めるという高市首相の危機管理の危うさ」(自民党幹部)も露呈。このため、「今後は高市一強の是非が厳しく問われる状況が続く」(自民党長老)ことは避けられそうもない。
今国会の最大争点にくすぶる火種
そうした中、高市政権にとって今臨時国会の最重要課題となる「消費税減税・支援金法案」は20日の衆院本会議で審議入りし、21日から衆院財務金融委員会で本格審議がスタートした。同法案の実現に向けた最大の問題は「中低所得者向けの支援金制度を含めて、2年間で約10兆円の財源が必要になる」という点だ。
これまでのところ政府は具体的な財源を示さず、高市首相も「心配には及ばない」と繰り返すだけなのは、「厳しい財政運営の裏返し」(財務省幹部)でもある。21日の財務金融委でも、自民党議員が担当閣僚の片山さつき財務相に財源確保の手法を問い詰めたが、片山氏は高市首相のこれまでの説明を繰り返すだけで、踏み込んだ財源論には至らなかった。
そもそも、年金や医療といった社会保障の安定財源である消費税を減税するにもかかわらず、高市首相が具体的な財源を示せないのは、「消費税減税以外にも巨額の財源を必要とする政策が目白押し」(同)だからだ。仮に今国会ですんなり関連法が成立しても、「財源論議は年末以降に先送りとなる」(同)ことは避けられそうもない。


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