ヴォルフガング・ポルシェ氏の言葉を裏書きするように、ビデオが終了すると。現在、取締役会会長(最高責任者)を務めるミヒャエル・ライタース氏が、550スパイダーを操縦して登場した。
ライタース氏は、26年1月に現職に就任する前は、マクラーレン・オートモティブのCEO、その前はフェラーリで8年以上にわたりCTO(チーフテクニカルオフィサー)を務めた経歴をもつ。
さらにその前はポルシェに籍を置き、13年の在職期間中、「マカン」と「カイエン」という2台のSUVの開発にも携わっていた。
「550スパイダーにあるのは、私たちのDNA、すなわち、エクスクルーシブネス、パフォーマンス、ドライビングパワー、そしてデザインです」
ミッションSは「まさに550スパイダーの魅力をすべて持ったクルマです」とライタース氏はつけ加えた。
「すべては空力のため」に
550スパイダーの美しい車体を、来場者に見せつけたあと、ミッションSという真打ちが登場した。事前に画像が公開されていなかったため、会場は大きくどよめいた。
初めて姿を見せたミッションSは、輝くホワイトの車体をもっていた。トーピドー(魚雷)と呼ばれるフェンダーとルーフライン、そしてサイドウィンドウの輪郭は911との関連性を感じさせる。
一方、リアフェンダーは強烈に張り出している。そこに収まるリアタイヤは335/25R22という極太で超扁平のもの。そして大きな口径のエグゾーストパイプが、左右各2連で突き出している。
「劇的」という形容詞でポルシェが表現するワイド&ローのボディ。リアから見ると、丸みを帯びた車体の上に、もうひとつ外皮をかぶせたようなデザインだ。
「すべては空力のため」と、スタイル部門責任者に26年に就任したトビアス・ズールマン氏は説明してくれた。機能性がもたらす迫力は、まさにレーシングカーのよう。
ただし、リアにもデザイナーのこだわりがある。たとえば、エンジンの上あたりの、円形のファン。69年に出たレーシングスポーツカー「917」のエンジン・クーリングファンがオリジンだそうだ。


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