デザイナーの小杉さん、そして数々の著名人のポートレートを撮影していることで有名な写真家・HIRO KIMURAさんの力を借りながら、SVリーグ1と定評があるクリエイティブを作り上げていった。
集客1000人のチームが、1万人アリーナを押さえてしまった
一方、会場をめぐっては思わぬ展開が待っていた。経営陣が想定していたのは2000人弱の体育館。ところが、東京都と連携協定を結んだことを足がかりに現場のスタッフが交渉を重ねた結果、開幕戦の会場は収容人数約1万人の巨大アリーナ・東京体育館に決まった。「全部でいくらかかるかもわからないのに、です」と久保田さんは笑う。
選手たちも驚いた。古賀さんはこう振り返る。
「ビジネスのことはよくわからないですけど、普通は小さく始めて、軌道に乗ったら大きくしていくものですよね。4カ月前まで集客1000人だったチームが、メンバーもあまり変わらないまま、7000人、8000人入る体育館を押さえた。『いや、これどうするの?』と」
しかし、もう後には引けない。
「アドバルーンが上がってしまったので、それ目がけて誰でも彼でも呼ぶしかなかった」(久保田さん)
選手も駅前に立ち、開幕戦のチラシを配った。
2022年10月、東京体育館でのホーム開幕戦。苦労の甲斐あって、客席には土日の両日で8000人を超える観客が集まった。
「本当に来てくれるのか、正直すごく疑っていたんです。でも、バレーには夢があるんだということを、フロント陣が結果で見せてくれました」(古賀さん)
4カ月前には名前すらなかったチームが、ピンクに染まったアリーナで最初の一歩を踏み出した。そこから、熱狂はどのようにして広がっていったのか。後編では、その舞台裏と経営のリアルに迫る。


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