奈義町から近い場所で、聖地巡礼先としてもう1つおすすめしたい場所があります。JR因美線の「美作滝尾駅」(津山市)です。
津山市街から奈義町に至る道から少し脇に入ったところ、田園地帯の真ん中にある無人駅ですが、その木造駅舎は戦前の1928年(昭和3年)の開業で、鉄道ファンの間では以前から有名な存在でした。
この駅を気に入ったのが、巨匠・山田洋次監督。95年に映画『男はつらいよ』シリーズ最終作『寅次郎紅の花』の冒頭のシーンが撮影され、寅さんの“聖地”として知られるようになりました。
公開当時、この駅を訪れた山田監督は「寅さんと共に日本中の駅を見てきましたが、美作滝尾駅ほど美しい駅は、もう日本のどこにもありません」とコメントしています。
無人となった駅舎内には当時の様子がそのまま保存されており、『男はつらいよ』の撮影があったことを示す記念碑や写真が飾られています。時が止まっているかのような感覚をゆっくりと味わうことができます。
日本の地方都市が、一気に世界まで進出
奈義町にはほかにも、那岐山の雄大な自然を満喫できるリゾートスポット「那岐山麓 山の駅」や、化石発掘体験のできる「なぎビカリアミュージアム」などの体験型の観光スポットがあります。また、町役場の前にある多世代交流広場「ナギテラス」では、周辺の情報のほか奈義の特産品を入手することができます。
そんな奈義町について、深田監督は「今回はいくばくかでも異邦人である私が奈義町に滞在し、この地に根を張って暮らす人々との交流を重ねたうえで、映画づくりに臨むことができたことに満足しています」と振り返ります。
地方が舞台となり、一気に世界まで進出したこの珠玉のような映画作品が、これからも地域と一緒に歴史を刻んでいくことを願いたいと思います。


※ログイン後、コメント入力が可能です。