しかも、一度競争からこぼれ落ちると、高額な医療費や家賃が重くのしかかってきます。文字通り「路頭に迷う」までの距離が恐ろしいほどに近い社会なんです。
ハーバード卒でさえ、仕事がない!?
そして、ここ数年はよりハイスピードで二極化が進んでいると感じます。そう、背景にあるのはAIの発展です。
影響が顕著に見てとれるのは、有効求人倍率や失業率といった雇用関連のデータでしょう。アメリカの失業率は4・4%(2026年2月)。上昇傾向は緩やかですが、内実はもっと緊迫しています。
すでにプログラマーや金融アナリスト、コピーライター、事務職といった多数の職種でAIへの代替が始まっています。
とくに深刻なのが、エントリーレベル(新卒や未経験者)における採用です。テック業界では、2024年から2025年にかけて、エントリーレベルの採用率が73・4%も減少。(参考文献:Ravio「The tech job market in 2025」)いまや、ハーバードやスタンフォードといった超一流大学の卒業生でさえも、約半数は学位に見合う就職先がないという話すら、私の周りで聞こえてきます。
将来的には、公認会計士や税理士などの資格職を含め、ホワイトカラーと呼ばれる仕事の大部分がAIに代替されていくだろうと予測されていますから、今後ますます失業率は高まっていくでしょう。
ソーシャルメディアを開けば、今のリアルなアメリカ市民の生活が見えてきます。
たとえば、Facebookのタイムラインには、日々こんな会話が流れています。
「今日の子どもの夕飯のお金がない。誰か助けて」
「金曜日はあの教会に行けば、無料で食料がもらえるらしいよ」
「バイトを昼夜2つ掛け持ちしているけど、今月は家賃も払えない。どうすればいいの……?」これらは決してバズっている投稿ではありません。注目を集めることもなく、あちこちで当たり前のようにくり返されている日常会話なのです。


※ログイン後、コメント入力が可能です。