例えば、食料品の消費税減税をめぐって小渕優子元経済産業相が7月30日に自民党税制調査会のインナー(幹部)を辞任した。また8月6日に開かれた党紀委員会では、高市首相と近い関係として知られる世耕弘成元参院自民党幹事長の復党が認められなかった。
参議院では、高市首相が「あの人、なんなの?」と不快感を示す石井準一参院幹事長が権勢を振るっている。高市首相は本年度予算の年度内成立を強く求めたが、石井氏はこれに事実上反対し、暫定予算が組まざるをえなくなった。
また、25年の自民党総裁選で議員票を操り、高市総裁を誕生させた麻生太郎副総裁の存在は極めて大きい。
麻生氏は義弟の鈴木俊一氏を幹事長に就任させ、党務を仕切ろうとした。それに対抗して高市首相は、自分に近い萩生田光一氏を幹事長代行に任命。萩生田氏には高市首相が次期幹事長に任命したがっているとの噂もあるが、依然として裏金問題が尾を引いており、なかなか困難な様子だ。
そうした事情を考えると、内閣支持率は自民党支持率よりはるかに高くなければならない。そして、さすがに50%を切ると苦しくなる。
外交問題でもダブルスタンダード
しかも、アメリカのマルコ・ルビオ国務長官が8月18日に国際刑事裁判所の赤根智子所長らを制裁対象に指定したと発表。赤根氏はアメリカへの入国が禁止されるほか、銀行決済が使えなくなるなどの不便を強いられる可能性が出てきた。
これについて、世論の多くは赤根氏に同情的で、「大変残念」とだけ述べた高市首相や報道官声明に「unfortunate(不運)」と極めて控え目な表現を用いた外務省に批判が集まっている。
高市首相が人気を得たのは、初の女性首相であり世襲ではなかったこと、加えて経済安全保障など「国を守る姿勢」が評価されたためだった。
昨年11月の衆院予算委員会で失言した「台湾有事」についても、中国に対して強い警戒心を抱く国民はむしろ好意的に受け入れた。しかし、今回のアメリカの措置に対して高市政権は及び腰で、ダブルスタンダードとの批判は免れない。
昨年の総裁選で、高市首相は「私が第一に考えていることは、国民の命と財産を守ること」と高らかに宣言した。それを実行しなくては、国民の支持は離れていくだけだ。次期臨時国会は9月下旬か10月初旬に召集される予定だが、それまでに内閣支持率を大きく好転させることができるか。


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