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「『ラヴ上等』は深い人間理解を促進する」…犯罪心理学者が"ヤンキーの恋リア"に感じた「切ない葛藤」と「爽快感」

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ラヴ上等 出口保行
筆者はNetflixの動画で『ラヴ上等』の複数の場面について解説した(画像:Netflix公式YouTubeより)
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ヤンキーなどの話をすると、育った家庭環境の影響についてしばしば聞かれます。しかし、家庭環境がどうであったかということより、それを本人がどう受け止めていたかということが非常に重要です。

社会的に見ればとても素晴らしく見える家庭からも犯罪者が出る場合もありますし、その逆もあります。

家庭環境を反面教師として生きている者も社会の中には多くいます。よく「暴力団の家庭で生まれた子どもは暴力団になるのか」と聞かれますが、これは分化的接触理論という理論に基づく推測です。人は周囲の環境に同調して生き様や行動を決めてしまいやすいという理論です。

もちろん、自分の家庭環境を受け入れていれば、自らも志願して「なろう」と思う場合もあるでしょうが、「嫌だ」という気持ちが強ければ、同じ道を歩もうとは思いません。これを分化的同一化理論といいます。

『ラヴ上等』のメンバーに影を落とす家庭的な負因

ヤンキーは少なくとも自分の置かれた環境について、マイナスな受け止め方をしている場合が多くあります。『ラヴ上等』に登場するメンバーにも、ほぼ全員何らかの家庭的な負因が大きく影を落としています。

特にDV(ドメスティック・バイオレンス)に象徴される家庭内暴力等は子どもの心を大きく傷つけ、大人になってからも大きく影響します。

そもそもDVに遭うと、自尊感情の低下や「自分が悪いせいだ」と感じる思考が発生しやすくなります。常に恐怖から相手の機嫌をうかがうことが癖になり、他の人間関係でも萎縮してのびのびと過ごせないことが多くあります。

恋愛関係では、暴力や支配を「愛情表現」と誤って感じてしまうことがあったり、相手に嫌と言えず、関係が不公平になる場合もあります。人を信じること自体が怖くなり、恋愛を避けてしまいがちにもなります。

一方が相手を優先しすぎて「嫌だ」と言いにくい関係。罪悪感を抱きやすく「自分が悪いのかも」と考えやすかったり、子どもの頃から親の機嫌をうかがって育った経験がある場合、そのような関係になりやすいのも特徴的です。

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