判決後、Aさんは法廷での謝罪について「一度も目が合うことはなく、パフォーマンスかなという印象しかない」と振り返った。
問題発覚後、最も大きな影響を受けた一人が長男だった。
被告は交際中、自分の子どもに会えないことを寂しそうに話していた。長男はそれを聞いて同情し、大切なおもちゃを貸していたという。
中には貸したくないおもちゃもあったが、Aさんによると、「被告が駄々をこねた」ため応じたという。
しかし、ダンボール数箱分もあったおもちゃは問題発覚後、被告側が処分してしまった。
さらに「子どもに会えない」という話自体が嘘だったことも判明し、長男は大きなショックを受けた。被告との思い出がつらくなり、習い事もやめたという。
「子どもの数年間を思うと安い金額だ」
判決について、Aさんは「私と子どもの数年間のことを思うと、(損害賠償が認められた額は)正直安い金額だと思う」と受け止める。
交際中、「35歳までに長男の兄弟を産んであげたい」と被告に話していた。しかし、法廷で被告は「申し訳ないが記憶にない」と述べた。
Aさんはこう憤る。
「看護師として高齢出産にも知識があった被告が、こんな大事なことを覚えていないわけがない。被告は自分の職業に自信を持ち、『俺の看護を子どもたちが待っている』とも話していた。信用ある職業についている人が、裏でこんなことをしていたと知ってほしい」
法廷には被告の妻も姿を見せていた。
判決は、「独身偽装」の被害が交際相手本人だけでなく、その家族にも及ぶことを認めた内容となった。
独身偽装の裁判は各地で相次いでいる。

