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「国民の生命を守る」はどこへ行った? トランプのICC制裁にモノ申せぬ高市首相「言動不一致」と「弱腰外交」の末路

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自民党ポスター
赤の背景でほほ笑み、白の背景でにこやかに手を差し伸べる高市首相のポスター(写真:ブルームバーグ)
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石破政権時には赤根氏に配慮していたトランプ政権も、今回は制裁を加えてきた。だが、高市首相は「大変残念に思っている」「これからも米国⁠を含む関係国と意思疎通を継続しながら対応していく」と批判を控え、外務省報道官声明も「very unfortunate(非常に残念)」と抑制的な表現にとどまった。

重要なのは、トランプ政権による赤根氏に対する制裁が極めて不当で深刻な人権侵害である点だ。

まずはアメリカがICCを解体しようという意図とは別に考えるべきだろう。アメリカでその資産が凍結された場合、その影響はどこまで広がるのか。単にアメリカ国内でクレジットカードが使えなくなるだけではないかもしれない。そうなれば、財産権はもちろん、赤根氏の生存権すらも脅かされることになりかねない。

覚悟が足りないリーダーの末路

選挙戦で「歯を食いしばって30年以上かけてやっと総理になれた」と訴えた高市首相(写真:ブルームバーグ)

日本に自国民の権利を守る義務があるのは当然として、高市首相自身が「私が一番に考えているのは、国民の生命と財産を守ることだ」と公言してきた。日本とアメリカが自由、民主主義、人権尊重といった共通の価値観を持つのなら、「制裁を解除してもらえないだろうか」と働きかけることはアメリカに歯向かうことにはならないだろう。

しかも、高市首相は今年1月に赤根氏と面会したとき、「厳しい国際情勢の中であっても、日本は法の支配を重視しており、ICCがその役割を果たせるよう、日本政府としてICCおよび赤根所長を力強く支援していく」と、しっかり伝えている。

なおかつ今回、ICC本部があるオランダをはじめ、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長やアントニオ・コスタ欧州理事会議長、国際連合のアントニオ・グテーレス事務総長なども制裁に反対を示している。

赤根氏は23年3月にロシアのウラジーミル・プーチン大統領に逮捕状を出したことで、その報復としてロシアの裁判所で有罪判決を受けた。そのとき、「私が死んでも裁判官の代わりはいる」と発言した。ICC所長のポストは赤根氏が自ら切望した地位ではないものの、いったん引き受けた限りは命を賭して務め抜くという覚悟がひしひしと伝わってくる。

ならば、今年の衆院選の秋葉原駅前での第一声で「歯を食いしばって30年以上かけてやっと総理になれた」と訴えたように、なりたくてたまらなかった地位を得た高市首相は、なおさらその職責をまっとうすべきだろう。

覚悟が足りないリーダーは“一軍”から疎外されかねない。そういえば、8月13日のプーチン大統領の択捉島上陸やトランプ大統領の北朝鮮への接近、そして中国の王毅外相の韓国訪問など、近時の日本外交が世界から取り残されている感が否めない。まさか、それが原因ではないことを願いたい。

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