―― 公明党に“戻る”という選択肢はありますか?
戻るのはよくない。最悪の方法だと思っています。「選挙のためだけにくっついたのか」と思われてしまいます。私は、中道をつくったこと自体は間違いだと思っていない、どちらかといえば誇りに思っています。なぜなら、日本の政治の歴史を見ると、保守の軸は自民党がしっかり担ってきたわけですが、中道リベラルの軸をしっかり担うところがあったかというと、くっついたり離れたり、しかも一定の幅に収まらずいろんなものを内包し、現実的に外交安全保障を担えるような状態ではなかったと思います。
ただ今回は、現実的な安全保障や外交を志向しながら、内政においてはリベラルな思想、多様性、一人ひとりの人権を大事にする塊をつくろうとしたんですね。だから理念として、新たな軸を作る取り組みは、私は間違っていないと思っています。
日本が今後、二大政党制の時代になっていくとは私も思っていません。むしろ今後も多党化は続く。すると選挙のたびに、おそらく政権が合従連衡していくと思うんですね。次の選挙が終わったらこの党とこの党が政権、次はこれとこれ、と、組み替えが起こる。ただそのときにやっぱり軸は必要。その軸たるべきものとして中道リベラルは、私は必要だと思っています。
衆院定数削減は「相当筋が悪い」
―― 高市政権は依然として高い支持率をキープしていますが、終盤国会に来て強引さも目立つようになってきました。とくに衆議院の定数削減については紛糾していますが、どう見ていますか。
比例だけ45減らすというのは、相当筋が悪い話だと思っています。多数を握っている与党が自分の好きなように選挙制度を変えられちゃう、これを許すことは、ちょっと僕としても……。ほかの政策ならまだしも、選挙制度は政治家自身の、自分の基盤じゃないですか。
今回の比例のみ定数削減45というのを「センターピン」(最重要ポイント)とおっしゃってきたのは維新なわけです。その維新は、大阪ではすでに実証済みなんですよ。
つまり、大阪って「身を切る改革」で、大阪府議会議員、市議会議員でどんどん定数を削減していった。2人区をどんどん1人区にしていったんですね。そうすると、もともと維新がめちゃめちゃ強いので、2人区では1位が維新、2位が自民、あるいは2位が公明というケースが多かった。これ定数を1人区にすると、2位以下への投票が全部“死に票”になってしまいます。
だから、時の与党、勝って勝って、議席をいっぱい持っているところが自由に選挙制度を変えられるんだったら、自分たちが圧倒できるような状況をつくれてしまうことになります。
―― 一方でもちろん、比例を減らしてしまえば政権交代のリスクが高まる面もありますが、強ければ圧倒的な議席数を保ち続けられますね。
だからこれはよくない。しかも今回の選挙制度改革については超党派で「今年の秋までに結論を出そう」とみんなで議論していたところだったのに、急に全部すっ飛ばして与党案が出てきた。それはルールが違うよねと思っています。

