はたして、佐藤さんの行為はハラスメントだったのだろうか?
この点に関しては、法律の専門家の間でも意見が分かれている。行為自体はハラスメントにあたる可能性はあるが、立場が雇用者と非雇用、あるいは上下関係があるとは言えないため、ハラスメントにあたるかどうかは微妙なところ――のようだ。
しかしながら、トラブルを報じた週刊文春の見出しは「橋本愛が号泣した佐藤二朗の『爆弾ハラスメント』」だが、あおりすぎではないかと思う。
佐藤さんの行動は不適切であったとは思うが、本人のあずかり知らないところで誤解を生んでしまったところがある。文春の記事で批判され、「セクハラ行為を行った」という誤認を生み、激しくバッシングされたことは、行きすぎであった。
今回の件で浮き彫りになった「難しい課題」
フジテレビの報告を読むと、制作側や所属事務所の対応も少なからず問題があったことがうかがえる。
撮影前、橋本さん側は、過去のトラウマ経験を踏まえ、演技上配慮してほしい事項をフジテレビ側に伝えていたが、それを佐藤さん側に伝えるかどうかは、フジテレビ側に判断をゆだねるとしていた。
また、フジテレビは、この内容を佐藤さんに共有したほうがよいかを、佐藤さんのマネージャーに確認したが「本人の耳には入れないほうがいい」という意向が示されたという。フジテレビもその意向を尊重し、本人には共有しなかった。
その結果、佐藤さんは、橋本さんの事情を知らないまま撮影に臨むことになった。
橋本さんのプライバシーを尊重する必要もあることを考えると、この判断が間違っていたと断定することはできない。しかしながら、結果論にはなるが、この情報共有のあり方が、その後の認識のずれを生み出した一因となったことは確かだ。

