皮肉なのは、今回フジテレビは外部弁護士による調査という“中立の経路”を用意していたことだ。にもかかわらず、世に出る第一報が利害の近い媒体から放たれたことで、せっかくの中立性は霞み、構図はかえって複雑になった。
仲介役がいながら、機能していない
今回の事案は、「懸念が本人に届くまでの過程」でも、「第一報の出どころ」でも、本人以外の関係者の関与が、ことをさらに複雑にしている。あらゆる立場の“仲介役”がいながら、それが機能していない。
そもそもハラスメントは客観的判断が難しく、主観で加害・被害が定まりやすいだけに、間に入る人々の判断と、その情報を“誰が伝えるか”の設計が、事態を左右する。
その設計を欠いたまま走れば、正しい告発ほど、いらぬ臆測にさらされてしまう。今回のようになあなあで進んだ結果、誰も幸せにならなかった。この状況が解けない限り、問題の収束は長引くだろう。

