やっかいなのは、この作用が告発の真偽とは無関係に働くことだ。どれだけ告発が真実性を帯び、速やかに解決されるべきものであっても、口火を切る主体に利害が透けて見えた瞬間、人々の関心は「何があったか」から「誰が、何のために、このタイミングで」へとずれていく。内容そのものより“構図”が疑われ始めるのだ。断っておくが、これは報道が虚偽だという話ではない。真偽の手前で、信頼の受け止めが揺らぐという構造の話である。
橋本愛は『週刊文春』の連載執筆陣、という事実
その観点で見過ごせないのが、橋本さんと『週刊文春』の関係だ。橋本さんは同誌でリレー連載「私の読書日記」を担当する執筆陣の一人である。各界の書き手が約6週ごとに持ち回りで書評を綴る連載で、社会派の書籍を数多く取り上げてきた。
一般論として、あらゆる媒体で編集部と著者は“ある種の共闘関係”にある。程度の差はあれ、部数やPV(ページビュー)、ブランディングといった共同作業を通じて、ともにより良い状況を目指す間柄だ。だがこの関係は、時に「いざという時には肩を持つ身内同士」とも受け取られてしまう。

