もっとも谷内氏は5月3日付の読売新聞のインタビューで「首相の答弁は従来の安保体制の枠を外れた考え方ではなく、中国は過剰に反応して政治利用している面がある」と、高市首相に一定の同情を示している。
しかし、「とはいえ、今は情報戦や認知戦が盛んに行われており、国会での質疑応答を政治利用する勢力が内外にあることを前提とする配慮が必要だ」と、高市政権の情報管理の甘さに苦言も呈している。
さらなる衝撃は『中央公論』26年7月号に掲載された今井尚哉内閣官房参与のインタビュー記事だろう。タイトル自体が「ガソリン補助金を撤廃し、ナフサを確保せよ」と高市首相の主張と真っ向から対立するものだった。
高市首相は、第2次安倍政権で秘書官兼補佐官を務めた今井氏に官邸入りを要請したが、それが叶わなかったために内閣官房参与に任命。本来なら高市首相が最も頼りにすべき人物だ。だが、今年3月の訪米前にアメリカの意向に応える形でホルムズ海峡への自衛隊艦船派遣にはやった高市首相を強くいさめたため、関係が悪化したとも伝えられた。
『中央公論』のインタビュー自体はその後の5月12日に行われたものだが、まさに高市首相が「ナフサの供給に心配はない」と積極的に呼びかけていたときに当たる。インタビュー記事は「高市首相への意趣返し」に見えなくもない。
トロフィーは誰に向けて掲げられたのか
インドから帰国した翌日の7月4日午後、高市首相は「第37回日本ジュエリーベストドレッサー賞」の表彰式に出席し、金色に輝く大玉の南洋真珠のパリュールを身につけて登壇した。
「このジュエリーの輝きのように、多くの日本にいらっしゃる皆さんが『日本の未来は明るい』と思っていただけるように、一生懸命働いてまいります」
キラキラと輝くクリスタルのトロフィーを掲げて、高市首相はにこやかに宣言した。その言葉は自分自身を奮い立たせるものだったのかもしれない。

