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かつては「父親の単独親権」だった? 30年前に共同親権を導入した台湾の弁護士が明かす"リアル"な実態 日本は今春施行

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ほしいのは「つかれない家族」
台湾ではどのように「共同親権」を運用しているのでしょうか(『ほしいのは「つかれない家族」』より)
  • ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト
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林さんにいただいた、花蓮県「家事サービスセンター」のリーフレット。家事サービスセンターの案内のほか、共同養育を推進するメッセージ、家庭内暴力被害者や性暴力被害者へのケアやサポート情報など、その内容は幅広い(写真:筆者撮影)

「共同親権という制度そのものより、それを支える仕組みの充実のほうが重要」という林さんの指摘は注目すべきもので、各裁判所に「家事サービスセンター(家事服務中心)」が設置されていることにも驚きました(日本の場合、自治体による無料支援がある地域もあるが、自治体格差がかなり大きい)。

ただ、高弁護士によると、日本と同じように、台湾の裁判所も人手不足の問題は抱えており、調停が数カ月に一回しかできないこともあるのだとか。

共同親権下での課題の対応

近年、日本では家裁を補完する手段として、第三者機関のADR(裁判以外の紛争解決手段)が注目を集め出しています。ADRについても高弁護士に聞いてみると、台湾においては、法的効力の強さから、民間ADRよりも裁判所が利用されるケースが多いそうです。また、民間サービスを利用する場合でも、家事サービスセンターと連携して活用されることが多いといいます。

さらに林さんは、「未成年子女に対する権利義務」の共同行使における、課題の対応についても教えてくれました。そのなかから、父母側から見て参考になりそうな内容を以下にまとめます。

・法的定義のあいまいさへの対応…父母の協議が必要な「重要事項」と、単独でも決定できる「日常的事項」の内容が必ずしも明確ではないため、紛争の原因になりやすい。何が「重要事項」なのかを明確化して記録する。
・重要事項の意思決定の遅れ・制度の悪用への対応…父母で協議が必要な事項の一部について、同居親が単独で決定できるよう、事前に合意する。
・地理的距離への対応…父母が遠距離に住む場合は支障が起きやすいため、共同にするかは慎重に判断する。

重要事項の一部を同居親が単独決定できるようにする事前合意は、日本での「親権行使者の指定」「監護の分掌」に近いものだと思われます。共同親権になりそうだけど紛争が心配、という場合は、事前に、その家庭にとって何が重要事項か明確化する、単独でも決められる分野を合意しておく、というのはひとつの手段ではないでしょうか。

林さんは、家事事件のサポートについては、台湾は現在も発展・改善の途中だと言います。1996年に「未成年子女に対する権利義務」の離婚後共同行使制度がスタートして約30年。同じアジアである台湾の実践は、日本が安全に共同親権を運用していくうえで、参考になる部分が多いと筆者は感じたのです。

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