そこからは、仕事へのやりがい、自分自身の会社における価値など、全ての歯車が逆回転しているような気持ちとなり、上司からの評価も一気に下がってしまったと振り返ります。
先月会社を解雇→見据えるこれから
「実はこの6月末に、会社を解雇されました。長年働いてきた会社からのクビ宣告は、これまでの人生の中では最大の挫折です。これまでにあった節目となる挫折を思い返すと、浪人はその原点であったと思います。今思うと、浪人は些細な挫折です」
「挫折はいつあるかわからない」と実感する玉井さん。今後も何度もそれと対峙しないといけないと改めて感じたようです。
へこたれるか、前を向くかはその人次第。ただ、周りから必要とされている何かがあるかが大きいのではないかと実感しているとのことです。
「私自身、企業での経験を経て、それなりに経済的に余裕ができてきたので、いわゆる会社勤めだけでなく、少しづつ取り組み始めている社会に貢献する活動を積極的にしていきたいと思っています」
現在は、NPO法人LIGHTS ON CHILDRENの会員として、企業が廃棄するパソコンをリサイクルして子どもたちに届ける活動や、世間的に差別を受けている障害のある人、多様性の観点からセクシャルマイノリティの人たちの社会的な認知を高める活動に参画しています。過去にはコミュニティFMのパーソナリティも務めていました。
「自分自身女装をすることもあるので、そういう人たちとのネットワークもできているし、地元で色々飲み歩いているから高齢者の悩みも聞いたりもしてきました。今後は、30年間社会の中で生きてきた経験で、培ってきたものを活かしたいと思っています。
浪人して東大に入ったことによって、世間的な信用を得ることができた部分もあり、その経験はとてもよかったことは間違いありません。社会に出てさまざまな人と関わる中で経済的な自立もある程度達成できましたが、50歳を超えて、社会貢献をしたいと考えるようになったことが自分自身の成長だと感じています。
現在は学歴、収入を超えた第3のステージの過渡期ですが、周囲の友達と一緒に幸せになりたいという思いがとても強くなっています」
学歴から収入へ、収入から社会貢献へ。浪人から30年以上の時間をかけて今も進化、変化し続けている玉井さんの思いは、人生初の自己決定であり、浪人という挫折経験からはじまったものだと思うことができました。

