とは言っても、学期の途中で日本に帰りたくなったり、逆にイギリスから日本へ戻りたくない、といった気持ちになったことは一度もないという。秀樹さんにとっては、どちらも居心地の良い場所だったようだ。
ちなみにサマーヒルの生徒たちは、17歳くらいになったタイミングで学校を辞めていく。秀樹さんいわく「卒業という概念はあまりなく、上限の17歳じゃなくても、途中で行きたくなくなったり次の進路が決まったりしたら『次の学期からは行かない』という形にする」そうだ。
意外と規則が多かった
また、多くのオルタナティブスクールに対して「規則がない」というイメージを持っている人も多いのではないだろうか。
「それが、サマーヒルではものすごくルールが多かったんです。ただ、ルールは学校ではなく生徒自身が話し合って決めます。必要に応じて規則の内容を変えたり、廃止することもできます」
例えば「ノースクリーンタイムを設ける」という規則があった。平日の9時ごろから15時まではゲーム(デバイスを使用するもの)を禁止するもので、取り締まりをする委員会があり、規則に反した場合は委員会のメンバーが違反した生徒から罰金を徴収して管理していたという。
「他にも細かいルールが結構ありました。でも今振り返ると、ある程度の制限やルールがあっても、実は教育の環境としては悪くないんじゃないかなと思うことがあります」
一体どういうことなのだろうか。オルタナティブスクールに子どもを通わせたい親の中には、「古い規則でがんじがらめの公立の学校には行かせたくない」、「ルールにとらわれない場所で子どもの自主性を伸ばしたい」と考える人も多い。
後編では、秀樹さんが子どもの自立と学校の種類の関係性や、16歳からN高とのダブルスクールを選んだ理由、日本の大学に通う理由などについて詳しく聞く。
(後編に続きます)

