次に都道府県の人口密度をみてみたい。
言うまでもなく東京都が圧倒的な密度で1平方キロあたり6476人となっている。しかし、1平方キロは約100ヘクタールで、東京ドーム(0.05平方キロ)約21個分とすると、1つの東京ドームの中に308人が収容されているイメージであり、筆者としては大した密度でもないと感じるが読者はいかがだろうか。
東京都の人口密度と比べると、大阪府がその71%、神奈川県が59%、埼玉県が30%、愛知県が22%、千葉県が19%、福岡県が16%で、残る40道府県は10%に満たない。つまり40道府県は、東京都の10倍以上、広々とした土地に人口が点在している。
ただ、東京都の人口密度の2%を切っているエリアとなると、東京都の50倍以上の人口当たりの土地ということになり、東京ドーム1つの中に、人口が6人いない計算となる。もちろん、自治体内にまんべんなく人口が点在しているわけではないので、その中で人口が集中しているエリアから誰もいないエリアまである。そうであるとしても、東京都の50倍以上の人口当たりの土地と考えると、「こどもまんなか」の視点からは、子どもたちにとって極めて厳しい状況になってきていると言わざるを得ない。
「子どもの点在化」が進む北海道
昨年、北海道で講演会を実施した際に分析した結果、北海道は2018年の時点ですでに188市区町村のうち87町村(46%、約半数の自治体)で出生数が30を切っていた。最も少ない自治体ではわずか2人で、10人未満の出生数の自治体も15存在した。
こういった状況は、生まれてきた子にとって孤立、点在化といった環境を強いることであり、その子が同世代の子どもたちと例えばサッカーだったり、野球だったり、バトントワリングだったり、いま流行りの水泳教室だったりと、豊かで多様な趣味を追求する・様々な友を作る、といった面で困難をもたらすだけでなく、いじめなどから逃げ場がないといったリスクも増大させてしまう。
このように「子どもの点在化」が進むエリアでは、移住も当然、進まない。せっかく移住にこぎつけたとしても、親よりも子がNOをつきつけるからである。地方創生を叫ぶにしても、何よりも「そこで育つ子どもの立場に立った自治体改革」(保育園があるだの子育て支援金が新設されただのは、あくまでも<対大人PR>である)が行われることを、子を持つ母としても強く訴えたい。
足元の政治や経済を変えたくないといった大人の事情や損得で、未来ある子どもたちが受けるデメリットを、もっと日本は深刻に受け止め、自治体政策を考えるべきではないだろうか。

