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あのかわいい《コアラ》が木にしがみつく健気な理由、じつは猛暑から命を守るための「必死の熱中症対策」だった

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コアラが木に抱き付いて休むのには理由があります(写真:PRock/PIXTA)
  • 渡辺 佑基 総合研究大学院大学統合進化科学研究センター教授
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そして水分が不足すると、暑さがより深刻に体に響く。コアラやヒトを含む恒温動物(哺乳類と鳥)は、暑いと汗をかくか、あるいはハァハァという小刻みな呼吸(パンティングと呼ばれる)を始めるかして、体内の水分を蒸発させて体から気化熱を奪わせ、体温を下げる。つまりコアラは、暑くて体温を下げたいけれど、発汗やパンティングに使える水分貯蔵が体内にないという苦境に陥るのである。

しかし、こうした生命の危機に対し、コアラも無為無策でいるわけではない。意外な方法でオーバーヒートを避けていることが、最近の調査でわかった。

コアラは暑くなると木に抱き付いて体を冷やす

研究チームが野生のコアラに電波発信機付きの首輪を取り付け、追跡しながら様子を観察したところ、面白いことに気付いた。樹上で休息をとる際の姿勢が、その日の気温によって異なったのである。

涼しい日には、体を丸めて蹲ったり、背筋を伸ばして手足を折り畳む「体育座り」に近い姿勢を見せたりした。いっぽう暑い日には、腕や脚をだらりと伸ばして座ることが多かった。茹だるような酷暑日ともなれば、木の三又部分にどっかりと腰掛け、斜めに伸びる幹に体ごと寄りかかり、手足を伸ばして木に抱き付くような体勢で休んだ。

くわえて樹上でのコアラの居場所も気温によって違った。涼しい日には細い枝や幹の高い所にいたが、暑い日には低くて太い幹の三又部分などで長い時間を過ごした。

どうもコアラたちは、暑苦しくなると太い木の幹に体を密着させ、体を冷やしているように見える。

研究チームは次に、温度の違いを可視化するサーマルカメラで木の表面温度を測ってみた。

案の定、それは気温よりも低く、また一本の木でも、太い幹のほうが高所の細い枝や幹に比べて温度が低かった。

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