東洋経済オンラインとは
ライフ #廃墟モールの経済学

「ダイエーが開業すぐに2度改装」「サティも早々にテナント入れ替え」…激戦地・いわきが「廃墟モールのある街」になった顛末

9分で読める
いわき市の大型ショッピングセンター「いわきエブリア」
1990年代に日本一の商業激戦地と揶揄された福島県いわき市は、その後30年間どのような道のりを歩んだのだろうか?(写真:筆者撮影)
  • 坪川 うた ショッピングセンター研究家・ライター
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

ところが商業まちづくり推進条例の末に待ち受けていたのは、県外への消費流出であった。条例により大型店の数が抑制されたことで、大型店が立地する宮城県や茨城県へマイカー客が流出したのだ。

そんな県外流出に歯止めをかけたのが、「イオンモールいわき小名浜」である。震災復興を目的として、用途地域を準工業地域から商業地域に変える異例の手法で建てられた。現在、「イオンモールいわき小名浜」にはしっかりと店舗が入り、家族連れや若者を中心に賑わっている。

海沿いに立地する「イオンモールいわき小名浜」。津波対策として、主要な設備が津波の想定高さ以上になるように1階はピロティの駐車場になっている(写真:筆者撮影)

一方、中心市街地の「ラトブ」は著しく空洞化していることはないものの、中高年層が多く、ベビーカーを押す人や子連れのファミリーはあまり見かけない。「エスパルいわき」では、タリーズコーヒーの客入りは良さそうだが全体的に閑散としており、空き区画も目立つ。

流通大手と法令に翻弄された地域

いわき市では過度な大型店の出店により、中心市街地が空洞化し、地元スーパーと百貨店が破綻の道をたどった。進出してきた大手資本も破綻し、また別の大手資本によって市場が再編されている。出店ラッシュから約30年が経過した今、地元主導型でつくられた「いわきエブリア」は巨大な空き区画を抱え続けている。

いわき市の大型店の変遷は、流通大手、そして大規模小売店舗法や福島県商業まちづくり推進条例といった法令に翻弄された地域の歴史を示している。

【前編】「売上低迷でダイエーが撤退」「近くに巨大イオンモール誕生、客を奪われる」…福島にある「やや廃墟なモール」衰退の背景 では、巨大な空き区画を持つやや廃墟なモール「いわきエブリア」を、ショッピングセンター研究家の坪川うたさんが訪問。豊富な写真とともに、衰退の経緯を詳しくお伝えしている。

【イベント開催のお知らせ】

5月29日(金)に、本連載の筆者でショッピングセンター研究家の坪川うたさんと、人気ライターで都市ジャーナリストの谷頭和希さんによる対談イベント「すごいモール やばいモール」が開催されます。「なぜあのショッピングモールはガランとしているのに、潰れずに営業を続けられるのか?」「賑わいを失った商業施設に、勢いのある人気チェーンが次々と出店する理由とは?」…オンラインの記事には書ききれなかった「ここだけの話」を深掘りします。詳細はこちらのページをご覧ください。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象