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ライフ #廃墟モールの経済学

「ダイエーが開業すぐに2度改装」「サティも早々にテナント入れ替え」…激戦地・いわきが「廃墟モールのある街」になった顛末

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いわき市の大型ショッピングセンター「いわきエブリア」
1990年代に日本一の商業激戦地と揶揄された福島県いわき市は、その後30年間どのような道のりを歩んだのだろうか?(写真:筆者撮影)
  • 坪川 うた ショッピングセンター研究家・ライター
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藤越はゴルフ場開発や飲食店経営などの多角化による債務超過により、2001年に民事再生法の適用を申請。自主再建の道を目指したが業績が低迷し、2007年にヨークベニマルの傘下に入った。現在、「スーパーセンター谷川瀬」は「ヨークタウン谷川瀬」に、「スーパーセンター大原」はヨークベニマルが入る「アクロスプラザ大原」になっている。

「ヨークタウン谷川瀬」は大型店が集まるパワーセンター。写真に映る棟に加え、セリア、ケーズデンキ、ユニクロなどが一堂に会している。近所にあったらうれしい(写真:筆者撮影)
「アクロスプラザ大原」にはヨークベニマル、マツモトキヨシ、ダイソーといった日常利用の店舗が並ぶ(写真:筆者撮影)

これらの各店舗は、活気にあふれているとは言い難いが、核テナントである食品スーパーを中心に平日でも一定数の買い物客が来店していた。

大手スーパーに客足を奪われた地元百貨店の「大黒屋」はもう存在しない。2001年に破産し、解体された。この年、いわき市では最高路線価が東北で最も下落した。

条例の先に待ち受けていたのは…

「大黒屋」の倒産を受け、福島県では中心市街地活性化が本格的に議論されるようになる。2006年、「改正まちづくり三法」により全国で大型店の出店が制限されることになったが、福島県ではそれに先立って「福島県商業まちづくり推進条例」を施行した。

この条例により、店舗面積6000m2以上の大型店が出店できるのは一部の市町村の中心市街地など「誘導地域」とされ、郊外への出店が制限された。商業まちづくり推進条例は、中心市街地の空洞化に歯止めをかけることを目指していたのだ。

2007年10月には、いわき駅前に「ラトブ」がオープン。地下2階〜地上8階のうち、地上1階〜3階が商業ゾーンで、三越と専門店47店舗が出店した。2023年1月には駅ビル「エスパルいわき」も仲間入りした。

「ラトブ」はいわき駅からペデストリアンデッキでつながっている(写真:筆者撮影)
いわき駅直結の「エスパルいわき」。タリーズコーヒーや土産店など10数店舗が出店(写真:筆者撮影)

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【県外への消費流出】

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