2024年に運営会社の鹿島ショッピングセンターが事業を停止し、破産を申請した。これにより一部店舗が撤退し、運営管理は建物を保有する平南ホールディングスへ引き継がれ、「いわきエブリア」に改称して営業が続けられている。
「いわきエブリア」へリニューアルされるにあたって、回遊性向上のため専門店が1階に集約された。空いた2階には大型区画を整備して店舗を出店させる予定だったが、テナント誘致が難航。リニューアルから2年以上が経った現在も、大部分が空き区画となっている。
一方、2026年2月にはダイソーがリニューアルされ、いわき市内初のスタンダードプロダクツ・スリーピーと併せた3ブランドの複合店がオープンしており、明るい兆しも見える。
新運営会社のもとイベントが多数開催されるなど、地域の人々が楽しめるモールとして歩み続けている。「いわきエブリア」は決して“終わって”いない。
競合施設の存在が大きかった
冒頭にて、廃墟モールの誕生には7つの要因があると書いた。具体的には以下の7つだ。
①競合施設の存在、②モータリゼーションの進展、③アクセスの悪さ、④動線の設計ミス、⑤施設規模の不適合、⑥運営会社の破綻、⑦核テナントの撤退
「いわきエブリア」は、①競合施設の存在、⑥運営会社の破綻、⑦核テナントの撤退が当てはまる。ただし⑥運営会社の破綻と⑦核テナントの撤退は起きたものの、最大の要因は①競合施設の存在だろう。
続く後編では、日本一と揶揄された激戦地いわき市の「いわきエブリア」以外の大型店と、それを取り巻く街はどうなったのか――30年間の歴史をたどっていく。
【イベント開催のお知らせ】
5月29日(金)に、本連載の筆者でショッピングセンター研究家の坪川うたさんと、人気ライターで都市ジャーナリストの谷頭和希さんによる対談イベント「すごいモール やばいモール」が開催されます。「なぜあのショッピングモールはガランとしているのに、潰れずに営業を続けられるのか?」「賑わいを失った商業施設に、勢いのある人気チェーンが次々と出店する理由とは?」…オンラインの記事には書ききれなかった「ここだけの話」を深掘りします。詳細はこちらのページをご覧ください。
