最終回配信日である5月15日が、安齊さんの27歳の誕生日と重なったことも“神タイミング”でした。Instagramには多くの祝福コメントが寄せられ、Xでも関連投稿が増加し、明らかにバズっていました。まさに“バチェ民”が“プロレスファン予備軍”へと変わっていくような反応だったのです。
実はリング上のパフォーマンスまで見せ場にしています。表面的に見れば、宣伝色の強さが残りますが、プロレスが演出込みで観客を熱狂させるように、気づけばこちらも安齊劇場に感情移入してしまう。そんな感触さえありました。
「俺様系」恋リアの終わりの始まり?
今シーズンの安齊人気を見ていると、恋愛リアリティ番組に求められる男性像そのものが、少し変化しているようにも思います。いわゆる“俺様系”の男性ではなく、穏やかで慎重なキャラクターが入り口になっていたからです。
過去には“ヒール役”の存在が重要視されることも多く、視聴者の感情を動かすためには、嫉妬や対立、裏切りといった刺激が必要だと考えられてきた事実は拭えません。
“嫌なやつだけど気になる”というキャラクターは、番組を盛り上げる装置でした。実際、恋愛リアリティ番組全般に、炎上や賛否が作品の話題性につながるケースも少なくなく、それが大きな問題にもなったわけです。
比べて、『バチェロレッテ4』は少し空気が違ったと言えます。もちろん参加者同士の緊張感はありますが、必要以上に誰かを悪者に仕立て上げる演出はほぼなく、視聴者も安心して“推し”を応援しやすかった。その空気感が、結果としてシリーズ最高クラスの高評価につながった可能性があります。
背景には、視聴者側の“疲れ”もあるのかもしれません。配信サービスの拡大以降、刺激の強いコンテンツは急増し、SNS時代のエンタメは、感情を大きく揺さぶる作品ほど拡散されやすい傾向があります。
一方で最近は、関係性を丁寧に描く穏やか寄りの恋愛リアリティ番組が増え、支持を集めています。Amazonのプライムビデオでいうところの元恋人同士の『ラブトランジット』、Netflixの男性同士の『ボーイフレンド』がそれに当たります。
今回の『バチェロレッテ4』も、その流れの延長線上にあると思います。強引さや駆け引きよりも、「ちゃんと相手を尊重しているか」が重視される。派手な言葉よりも、不器用でも誠実な態度に惹かれる。
安齊勇馬の人気は、こうした視聴者心理の変化を象徴しているようにも見えます。実際、リングの上では最強を目指すプロレスラーが、恋愛ではむしろ慎重で、不器用で、真っすぐで、気づけば応援していました。そんな視聴者も少なくなかったはずです。
『バチェロレッテ4』は、恋愛リアリティ番組が“ギスギス”だけで成立する時代ではないことを感じさせました。
