東洋経済オンラインとは
ビジネス #自動車最前線

秘匿性の高い車両開発棟の内部も!「トヨタテクニカルセンター下山」の現場で見た新型車の性能評価を行う体制と手法

8分で読める
市販化が発表されている「GR GT」とレース参戦向け「GR GT3」が並ぶ
市販化が発表されている「GR GT」とレース参戦向け「GR GT3」が並ぶ(筆者撮影)
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES


モリゾウこと豊田章男会長は常々「厳しい道で、厳しいドライバーが、厳しく評価することで、クルマが壊れてそして課題が出る。それを直すことでクルマが改善される」と主張している。

「モリゾウさんが鍛えたヤリス」の展示・説明も行われた(筆者撮影)

第3周回路のガードレールの一部には生々しい傷跡があるが、それも厳しい評価の証明であるとして、あえて残してあるという。

そのうえで豊田会長は、クルマの動きがドライバーの操作と高い次元でシンクロ(同期)する「クルマと会話ができるクルマ」の実現を、TTC-Sの関係者に強く要望しているという。

開発中車両との並走というパフォーマンス

そんなバスツアーの中で、量産に向けて開発中の「GR GT3」や、屋根に大きなインタークーラーを搭載した「GRヤリス Mミッドシップコンセプト」がバスと並走し、そして追い抜いていくというパフォーマンスを披露してくれた。

まさに、「いま、開発の現場に立ち会っている」という気持ちになる。

メディア関係者を乗せたバスと並走するGRヤリスの開発車両(筆者撮影)

こうした走行車両には、高い精度のGPSを装着しており、自車の周囲に他車が近づいていた時に警告を鳴らすなど安全対策も行っている。ブラインドコーナーが多いコース設定としては必然だ。

バスツアーの終盤、筆者は 「(トヨタが所有する他メーカーの)比較車両は別として、他のOEM(メーカー)からこのコースを使用したいとの要望はないのか?」と聞いたが、対応したGRのチーフエンジニアの認識では「過去のそうした事例はない」とのことだ。

ちなみに、ニュルブルクリンクは行政機関との関係が深い企業が施設を運用し、トヨタを含めた自動車メーカー各社が貸し切り、または合同でコースを使用するシステムを採用している。

そんなニュルブルクリンクの周辺には、自動車メーカー各社がTTC-Sでの実験棟・車両実験棟のように、走行データを現場で解析する施設を設置しているものの、あくまでもコース外のピット(ガレージ)のような位置付けにとどまっている。

次ページが続きます:
【なぜ、トヨタはそこまでやるのか?】

5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象