そうした、まさにアジャイルな車両開発を“見える化”していたのが整備フロアだ。しかも、特に大きく目隠しされた部分もなく、すべてをオープンにするという大盤振る舞い。ただし、さすがに整備フロアでの撮影は許可されなかった。
GRやレクサスなど、すでにコンセプトモデルとして、またはレース車両として公開されていても、量産開発車がズラリと並ぶ光景は圧巻だった。
特に興味深かったのは、「ヤリス Mミッドシップコンセプト」の存在だ。自動車メディアの中には、トヨタ初のミッドシップ4WD量産車として新型「セリカ」の登場の可能性を継続的に記事化しているからだ。
整備フロアには1台だけカバーをかけた車両があったが、車高が低いスポーツカーのようなフォルムをしていた点が気になった。
そのほか、整備フロアには新規量産モデルだけではなく、既存モデルの姿もあった。顧客や販売店など市場の声を収集して、サスペンションなどさまざまなカイゼンを日々、行っているのだ。
“ニュル”を再現したカントリーコース
その後、大型バスは中央エリアに向かい、TTC-Sの目玉施設である第3周回路(通称:カントリー路)のコース内に入った。
1周は5.3kmで、ドイツのニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ(北コース)と比べると全長は4分の1程度だが、「ニュルと同じようにクルマにストレスがかかる」(トヨタ関係者)という表現をする。
筆者は90年代からこれまで、さまざまな立場でニュルブルクリンク・ノルトシュライフェを各種モデルで走行してきたが、たしかにコーナーの作り方はニュルブルクリンクを参考にしていることがわかる。
例えば、ジャンピングスポット直後の右ヘアピンや、タイヤが路面から設置しない状態を多く体験できるなど。他メーカーの国内テストコースでは、こうした設定はない。
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【ガードレールの傷は厳しい評価の証】
