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「わが子の時は何もできなかった」——元IT管理職が56歳で退職し「引きこもり」の若者を救う「塾」を開いた信念

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塾生とコーチたち
「八おき塾」のランチ会のため、食事を作る塾生とコーチたち(写真:八おき塾提供)
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進学を希望する子や、資格取得を目指す人に対しては、自主勉強のサポートもしている。だが活動の大半は、食事を作って一緒に食べて、共に過ごすことだという。

「この11年、いろいろやってみたんだけど、結局、食事作りが一番効果的だなと思ったんですよ」

食事メニューを考えるところから一緒にやるのが八おき塾方式だ。

今日は何が食べたい?から始まり、メニューが決まるとみんなで一緒にレシピを検索、材料を決めたら買い出しへ。買い出しが終わるといよいよ調理がスタートする。

見学者やゲストとのコミュニケーションも

興味深いのは、引きこもりの子を持つ親が八おき塾のランチ会に参加している点だ。週に1度のランチ会は、塾に興味のある若者本人や、両親が参加することができる日になっている。

そこでは「子どもの気持ちが分からない……」そう話す親に、「もしかしたら、こういう気持ちかもしれませんよ」と、引きこもり当事者である塾生が答えている。

買い出しを終え、食事作りをする塾生とコーチたち(写真:八おき塾提供)

参加した親たちは、本人から聞くとけんかになってしまいそうな話も、他人の子からの話だと冷静に聞くことができたと好評だ。塾生にとってもそれは同じかもしれない。親から言われると反発したくなることも、他人の親の話を通して、自分の親の心を知ることもあるだろう。

取材したこの日は2人の親が参加していた。メニューは塾生のリクエストで筍ごはんだった。

「今は核家族化が進んで、近所との付き合いもそれほど深くないでしょう。若い子たちにとって、話せる大人が親と学校の先生くらいしかいないというのも、引きこもりを長引かせる要因になってるような気がします」(鳥巣さん)

リクエストで採用された「筍ごはん」(写真:八おき塾提供)

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【料理づくりを通して育まれる「自信」】

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