「トモアキには、『なんかほしいものないと?』『やってみたいことはないと?』と、声をかけたくらいですよ。すると、なんかパソコンのゲームをやっているんだけど、本当はそのゲームをするにはもっと性能のいいパソコンがいるんです、と言っていたので、そのパソコンを買うことを目標にアルバイトを探すことにしました」(鳥巣さん)
担当の吉永コーチは、どんなアルバイトをやってみたいかをトモアキさんに尋ねながら、一緒にバイト探しを手伝い、面接練習にも付き合った。動く時の起点はすべてトモアキさん。吉永コーチは、トモアキさんの声に丁寧に耳を傾け、それにそって背中を少し押していった。
一歩ずつ前進
こうしてコーチたちと仲間に支えられ、トモアキさんは昨年秋にアルバイトに合格、外で働く一歩を踏み出せた。1月にはたまった給与で念願のパソコンを購入した。
「奮発しましたよ~」
そう語るトモアキさん、その声はどことなく自信に満ちていた。
そしてさらに、次なる挑戦をはじめている。
「今、就活をしていて、こないだSPIを受けたんです。そしたら受かって、次、面接なんです」(トモアキさん)
夢がないのがコンプレックスだと感じていた青年の目は、まっすぐに将来を見つめる目に変わっていた。
