そんな状況でも、授業はもちろん、対面のイベントにはなるべく参加するようにした。そこにはトモアキさんなりの努力があった。地方からの上京、しかも、中高一貫校の出身のため、6年間同じ仲間と過ごしてきた。そんな自分は、新しい友達を作るのに苦労するかもしれない、という思いを持っていたのだ。
「新歓イベントに参加したり、サークルに入ったりして、なるべく自分から積極的に人に声をかけていくように心がけていたんです」(トモアキさん)
総勢20人ほどのスキーサークルに所属し、サークルの仲間たちとも楽しく過ごせるようになった。だが、問題は学部の友達だった。
対面講義があった際に近くの席の人たちと連絡先を交換、それなりに過ごしていたつもりだったが、久しぶりに教室へ行くと自分以外でグループができていた。そこに自分の居場所を見つけることは、もはや難しくなっていた。
おまけに講義も面白いとは感じなくなっていた。
「高校の時って、テストで点数取れる科目を楽しいと勘違いすることがあるような気がするんです。世界史は高校の時は得意だったのですが、大学の講義はぜんぜん面白く感じられませんでした」(トモアキさん)
教室に会いたい友達がいるわけでもなく、授業に面白みも感じなくなってしまったトモアキさんは、夏休みに入る前には大学に行かなくなっていた。
引きこもる日々
トモアキさんの両親がこの状況を知ったのは、大学から届いた成績表がきっかけだった。大学の成績表は親元にも送られる。
長期休暇で帰省すると、単位が取れていないことを知った母親から「何をやっているの!」と強く叱責された。だが、自分のもやもやとした気持ちをうまく伝えることができないまま、東京に戻り、大学2年目を迎えた。
今度はなんとかやってみようと、再び大学に通い始めた。だがやはり、学部でうまく仲間ができず、学びを面白いとも思えない。大学とのつながりはサークルだけとなっていた。これもだんだんと行かなくなり、一人暮らしの部屋に引きこもるようになっていく。
結局、大学2年の11月、トモアキさんを案じて上京した親に連れられ、地元福岡に帰った。
次ページが続きます:
【救いを求めて「八おき塾」へ】
