安全面への配慮からの判断だそうだが、子どもたちの“水に入る経験”が減っていることは否めない。昨今の水泳授業は昔とは大きく変化しているのだと痛感するとともに、このままでは確実に“泳げない子ども”になるであろう我が子の未来を、不安視せざるを得ない出来事だった。
学校から“水泳の時間”が消えている
文部科学省の学習指導要領によると、水泳授業は小学校から中学2年まで体育の必修内容として定められている。
従来、水泳の授業は“子どもの頃から水に慣れる”“命を守る術を知る”ための重要な機会でもあった。思い返せば、筆者が通っていた小学校では、水難事故に遭った場合を想定して、年1回は着衣泳の授業も実施されていた。
しかし現在、その前提が揺らいでいる。
埼玉県教育委員会が県内の小学5〜6年生を対象に行った泳力調査によると、小学生の泳力は以前に比べ顕著に低下している。
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上記の表を見ると、小学6年生でクロールで25mを泳げる子どもの割合は、2001〜19年にかけては男女ともに70%を超えていた。しかし、23年には男子54.3%、女子46.2%と、急激に減少している。
これには新型コロナウイルスの感染拡大により、当時全国の小学校が一斉休校の措置を取っていたことも影響している。しかし、授業が再開されている昨今においても、子ども達の泳力は低下傾向にあるようだ。
その大きな理由の1つとして、自校でのプール授業を実施している学校が全国的に減っていることが挙げられる。スポーツ庁が公表しているデータによると、2025年度時点の小学校、中学校、高等学校等において、自校のプールを使用している学校はもはや少数派だ。
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【負担増で水泳授業の運営が難しくなっている】
