実際のところ、ジムニー ノマドは、現在でも生産が追い付いていない。もしも、スズキにもっと生産能力があれば、より販売台数を増やすことができるはずだ。
とはいえ、乗れば誰もがわかるように、ジムニーシリーズは万人受けするクルマではない。そのため、作れば作っただけ売れるクルマとは言えない。トヨタ「カローラ」や「シエンタ」とは異なるのだ。
そのため、スズキは慎重に生産能力を調整している。いま売れるからといって、生産設備に投資すれば、あるところから供給が需要を上回り、赤字になってしまう。そうなっては、スズキが困るだけでなく、ジムニーシリーズの存続にも関わる。
そういう意味で、若干ニーズが上回っている現状が健全なのだろう。ファンであれば、ある程度の納期は我慢すべきと言えるかもしれない。
「日本車の逆輸入」を当たり前に
ジムニーノマドのヒットは、スズキが1970年からジムニーを大切に作り続けてきたという歴史が土台にある。つくづく個性や伝統といったものの大切さを感じさせるヒットと言えるだろう。
そして、最後に見逃せないのが、今回のジムニー ノマドのヒットによって、海外生産される日本車の逆輸入という存在が、より身近になったことである。
同じ、インドからはホンダの「WR-V」というSUVが導入されているし、日産「キックス」はタイからやってきている。トヨタ「ヴォクシー」を台湾で生産するという話もある。
こうした海外生産車は、これからも増えてゆくことだろう。「日本車=日本生産」ではなく、「日本車=日本ブランド」への変化を加速させたことも、ジムニー ノマドの功績のひとつではないだろうか。
