街乗りでは割り切りが必要だが、これは大昔からのジムニーシリーズそのものであり、その前提を納得できる人が選ぶクルマなのだ。5ドア化で利便性は向上したかもしれないが、まぎれもないジムニーなのである。
ルックスだけ見て気に入り、普通のSUVを選ぶ感覚で乗ると、がっかりするだろう。この“わかった人が乗るのがジムニー”という部分も、ある意味、魅力の1つと言える。
5ドアをプラスして販売台数を約2倍にアップ!
では、そんなジムニー ノマドは、実際にどれほど売れたのか。
25年4月から26年3月の新車販売ランキング(登録車)を見ると、ジムニーは5万1358台を販売し、18位に食い込んでいる。これはスズキとしては16位「ソリオ」の5万2642台につぐ、相当によい数字だ。
ただし、5万1358台の数字は3ドアのジムニー シエラと、5ドアのジムニー ノマドを合算したもの。このうち、ジムニー ノマドの数字をスズキ広報に問い合わせてみれば、約3万9000台であるという。残り約1万2000台がジムニー シエラということになる。これもかなりの数だ。
ざっくり3ドアのシエラを1とすると、5ドアのノマドが3倍強売れていることになる。ちなみに、ジムニーシエラだけ販売していた24年度のジムニーの販売台数は2万6192台でランキング27位であった。
5ドアのジムニーノマドを販売したことでジムニー シエラの販売は半減したが、全体としては約2倍に増えたのだ。
また、ベスト20にランクインしたのも、大きな功績だ。20位までにランキングしたメーカー別の数をカウントすると、最も多いのがトヨタの12車種、続いてホンダの4車種、そしてスズキと日産の車種と続く。
三菱、スバル、マツダ、ダイハツはベスト20に1台も入っていないのだ。つまり、ジムニー シエラだけであれば20位以下であったところ、ジムニー ノマドをプラスすることで、20位以内にランクインしたのである。スズキの登録車としては大ヒットと言えるだろう。
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【受注増でもさらなる増産を行わない理由】
