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EV失速に直面した電池メーカーがこぞって電力貯蔵事業への転換を模索、ところが生産ラインの変更は難しい

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写真は電気自動車(EV)バッテリー充電器のディスプレイ。2023年11月、英ロンドンで撮影(写真:ロイター)
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また米電池メーカーにとっては、中国がLFPの技術とサプライチェーンを支配している点も問題を複雑にしている。電池の国内生産を促進するためにバイデン政権下で導入された税額控除はトランプ政権下でも継続されており、ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスの調査責任者イオラ・ヒューズ氏によると、メーカーはこの適用資格を満たすために中国製資材への依存度を下げようとしている。税控除をフルで享受するには、今後数年で中国製資材を段階的に排除しなければならない。

貿易障壁も問題だ。ベンチマークによると、正極材や負極材など中国製電池資材に対する米国の関税は35%に達している。

テスラが先行

米メーカーによるESSシフトは、ここ数カ月で加速している。

GMとLGESの合弁会社は3月、テネシー州ナッシュビル南部の工場で蓄電池セルを製造するため、7000万ドルを投じて従業員の再教育を行うと発表した。フォードも12月、ケンタッキー州の未活用工場の一部を蓄電池向けに転用することを明らかにした。

老舗自動車メーカーはEV大手テスラの背中を追っている状態だ。テスラは約10年前からESS事業を育成しており、今では同社で最も急成長している部門の一つとなった。昨年の粗利益率を見ると、EV事業が規制クレジットによる利益を除くベースで約15%だったのに対し、ESS部門は30%に達した。

テスラの大型蓄電池「メガパック」の導入は急増しており、昨年はイーロン・マスク氏のAI企業「xAI」への販売額が4億3000万ドルに達した。AIデータセンター需要が蓄電池受注に直接結びついていることを示す好例だ。

テスラの元幹部で、現在はGMの電池責任者を務めるカート・ケルティ氏は1月、ロイターに対し、米国の電池製造事業とサプライチェーンの構築に注力するとし、それがEV向けかESS向けかは「大きな問題ではない」と述べた。

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