彼女は相手のプロフィールを細かく読み込み、少しでも違和感があれば会う前に断り、会ったとしても「何かが足りない」と感じると、次には進まなかった。
会話が盛り上がっても、「仕事や人生への情熱が足りない」「将来性はどうなのか」と、頭の中で常に減点方式の評価が働いていく。
結果として、出会いの数はあるのに、関係が深まる前に仮交際を終えてしまう。自分から終了を出すだけでなく、彼女の厳しい見極めを感じた男性からも、終了が来ることが多かった。
気づけば、婚活歴は1年を超えていた。
「もう誰を選べばいいのかわからない。サイトの中に、私が結婚したいと思える人はいないのかもしれない」
強い疲労感を訴えるようになっていた。
あつこのケースで見えてくるのは、「正解を選ぼうとするほど、選べなくなる」という婚活の構造だ。
彼女にとって結婚は、“失敗をしてはいけない選択”であり、“自分の人生の第2ステージになる場所”。だからこそ、条件というわかりやすい指標に頼り、必ず幸せにならなければいけないと、知らず知らずのうちに自分にプレッシャーをかけている。
しかし、条件で幸せの保障を得ようとする発想そのものが、結婚の本質から外れている。
なぜなら結婚は、完成された相手を選ぶ行為ではなく、未完成を前提に、未来に起きる問題やズレを2人で調整しながら愛情を育てていき、絆を深めていくものだからだ。
心を突き動かされる相手に…
そういち(39歳・仮名)は、都内の中堅企業に勤める会社員。見た目も爽やかで、結婚相談所でも一定の人気があった。実際、お見合いはコンスタントに成立し、交際に進むことも少なくなかった。
しかし、なぜか関係が長続きせず、相手から断られたり、自分から断ったりを続けていた。
1年活動したのち、彼はこんなことを言った。
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【そういちが放った「ひとこと」】
