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「セキュリティの専門家を採用したのに、1〜2年で辞めてしまった」。こうした経験をお持ちの経営者やマネージャーは少なくないでしょう。人材紹介会社に高い費用を払い、ようやく採用できた人材がまた離れていく。引き継ぎと再採用に追われる間、肝心のセキュリティ体制は手薄なままです。
この繰り返しは、単なる「人材不足」では片づけられません。採用しても定着しない組織には人が離れていく構造的な原因、いわば「負のループ」が存在します。それは、成果の見えにくさ、知識の属人化、そして経営の不関与――。
なぜこのループは生まれるのか、そしてどう断ち切ればよいのか。経営やマネジメントの視点から考えてみましょう。
優秀な人ほど早く見切りをつける
セキュリティ人材が組織を離れる理由として、「待遇が悪い」「引き抜かれた」という説明がよくなされます。もちろんそれも一因ですが、現場で起きていることはもう少し根が深いものです。
ISC2(国際情報システムセキュリティ認証コンソーシアム)が2024年に発表したCybersecurity Workforce Studyでは、セキュリティ従事者の職務満足度が前年から4ポイント低下し66%にとどまりました。
人員不足の最大要因として初めて「予算の不足」が1位に挙がり、昇進やキャリアアップの機会も減少しています。このことから、給与の問題だけではないことがわかります。
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【なぜ負のループは自然には止まらないのか】
