日米首脳会談を終え、ホルムズ海峡への自衛隊艦艇の派遣をアメリカから要求されずに切り抜けたことで、高市早苗首相は一定の成果を上げたとみられた。現地での振る舞いには、媚びへつらいではないかとの批判もあった。難局をしのいだ点は評価できる。
だがその直後、高市首相がもくろむ予算の年度内成立を政府は断念せざるをえなくなった。選挙で圧勝して多数議席を占める衆議院とは異なり、参議院では与党が少数派だ。しかも、突然の解散総選挙や参政党・共産党を排除した社会保障国民会議の運営により、審議に協力する政党を失っていった。
整合性を欠く判断が続く中、首相は当初渋っていた集中審議への出席に応じ、何とか参議院での予算成立にこぎ着けた。
ナフサ不足で医療サービス停滞懸念
加えて、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃の長期化で、ナフサをはじめとする資源の輸入が6月ごろから滞るとの見通しが広がる。とりわけ医療現場で必要な器具には、ナフサを原料とするものが多い。医療サービス停滞の懸念も現場から上がり始めている。
仮に停戦に至ったとしても、中東ではエネルギー関連施設が損傷しており、生産水準が容易に回復するとは考えにくい。今後、物資不足が深刻化するのは、ほぼ疑いがない。
だからこそ首相は、国会審議の中で具体策を説明し、定期的に記者会見を開いて、政府の方針を国民に語りかけるべきだが、国会答弁にも記者の取材にも十分に応じようとしていない。政権としての姿勢が見えないまま、社会には徐々に不安が広がりつつある。





















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