ここ数年、日本のメディアでは「香港は終わった」という言説が飛び交った。2020年の国家安全維持法の導入を境に、外資企業の撤退や人材流出が相次ぎ、アジア最大の金融都市としての輝きは失われたという見方だ。
こうした評価を決定づけたのが、コロナ禍での厳格な入境規制である。22年まで続いた渡航制限と隔離政策により、国際金融都市の生命線である「人の往来」が遮断された。この間、多くの金融機関や投資ファンドが拠点をシンガポールへ移したことから、アジア金融中心地の座はシンガポールに取って代わられたという議論も起きた。
しかし26年3月現在の資本市場や富裕層資産の動きを冷静に分析すると、「香港衰退論」は実態を反映していないことがわかる。むしろ香港は今、「新香港」として、その役割を劇的に強化している。
5年ぶりに首位奪還の予測
象徴的なのが、IPO(新規株式公開)市場の劇的な回復だ。25年、香港証券取引所(HKEX)のIPO資金調達額は前年比約225%増(約3.2倍)の約2858億香港ドルに達した。新規上場企業数も119社と同約68%増加した。






















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