過小評価をくつがえした「リロ&スティッチ」 大コケ「白雪姫」との対比に見るヒットの新法則

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マーケティングコストはおよそ7500万ドルと推測され、製作費と合わせると2億ドル以下。すでに非常に利益率の高い映画となっているうえ、ヒットのおかげでこの後の関連商品の売り上げがまだ見込める。

実際、普通のスーパーの棚にもスティッチのぬいぐるみが置いてあるし、それらを抱いている子供をショッピングモールや空港で見かけることも多い。

劇場公開が終わり、Disney+で配信になる時には新規会員の呼び込みにつながるだろうし、何より、この大ヒットで続編の道が開けた。今まで以上にリスクを恐れるスタジオにとって、頼れるシリーズものをもうひとつ獲得できた意味は、非常に大きい。

予算が成否を左右するわけでもない

続編に関する正式な発表はまだないものの、この勢いを失わないためにも、また主演の子役マイア・ケアロハが成長しすぎてしまわないためにも、おそらく次は早く動くだろう。予算ももっともらえるに違いないが、大事なのはそこではないとも、この成功は示した。

この結果から学べることは、もちろんほかにもある。たとえば、『白雪姫』と『リロ&スティッチ』の違いは何だったのか。これからも続くであろうアニメーションの実写映画化企画で、そこは必ず考慮されるポイントになるのではないだろうか。

猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト

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さるわたり ゆき / Yuki Saruwatari

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒業。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場リポート記事、ハリウッド事情のコラムを、『シュプール』『ハーパース バザー日本版』『バイラ』『週刊SPA!』『Movie ぴあ』『キネマ旬報』のほか、雑誌や新聞、Yahoo、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。
X:@yukisaruwatari
 

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