過小評価をくつがえした「リロ&スティッチ」 大コケ「白雪姫」との対比に見るヒットの新法則

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そんなタイミングもあいまって、劇場公開作への格上げが決定。『ミッション:インポッシブル』の“カウンター・プログラミング”(違う観客層を狙った作品を提供すること)として、メモリアルデーの連休である2025年5月23日に公開すると発表されたのは、昨年10月のことだ。

そこからディズニーは、やんちゃで悪ガキなスティッチのキャラクターを見せつけるために考案された、ユーモアたっぷりのマーケティングを続けざまに展開した。

プロモーションで手応えを得ていたが…

昨年11月下旬の『モアナと伝説の海2』公開時には、スティッチが『モアナ』に出てくるキャラクター、カカモラをくわえているポスターを公開。翌月の『ライオン・キング:ムファサ』の公開に合わせては、ムファサが息子シンバを抱えている『ライオン・キング』の有名なシーンを真似したティーザー予告編をリリースした。

リロ&スティッチ

『モアナと伝説の海2』とコラボしたポスター©2025 Disney

さらに今年2月のスーパーボウルのために、アメフトの試合を邪魔するスティッチをつかまえようと人々が奮闘する様子を描くスポットを特別に製作し、好評を得た。このスポットは24時間以内に1億7300万ビューを稼ぎ、ディズニーの歴史でもっとも多く見られたオンライン広告となっている。

リロ&スティッチ

スティッチがアメフトの試合を邪魔しようとするスポット広告を作成©2025 Disney

3月に公開された公式予告編も、2019年の『ライオン・キング』に次ぎ、ディズニーのライブアクション映画でもっとも見られた予告編に。その後も、過去のディズニー作品にスティッチが“侵入”する複数のポスターが発表された。そうやって人々に「これは楽しそう」と思わせ続けた結果、5月頭には、ScreenShare(Screen Engine/ASIと業界サイトThe Wrapがパートナーシップを組むデータリサーチ)の調査で、公開直後の『サンダーボルツ*』を抜き、「消費者が興奮を感じる作品」の首位を獲得した。

となるともうヒットは確実だったのだが、それでもまさか『トップガン マーヴェリック』が3年前に打ち立てたメモリアルデー週末の史上最高記録を破ってみせるとは、誰も思っていなかった。

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