マイクロソフトが15万円台の新型Surface発売、Windows 10サポート終了を前にAI PC普及戦略を本格化

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設定アプリも進化する。設定エージェントでは「マウスが遅い」と自然言語で入力すれば、AIがマウススピードの調整画面へ直接誘導してくれる。パーフェクトスナップショットは、スクリーンショット撮影時にAIが最適な範囲を自動認識。手動での微調整から解放される。

設定アプリで「マウスが」と入力するだけでスクロールスピードの調整メニューが提案される(筆者撮影)

これらの機能に共通するのは、すべてが「操作の簡略化」を目指している点だ。

MicrosoftはWindows 11のAI対応を2023年秋のCopilot搭載から始めた。当初は多くの人がイメージする「AI」そのもの、つまりチャット型のアシスタントとして提供された。AIとの対話で作業を支援する形だった。しかし平井氏は「チャットはチャットなので、一つの機能でしかない」と語る。

今、Microsoftが目指すのはAIを通じたユーザーインターフェースの全面的な刷新だ。画像認識、コンテキスト理解、自然言語処理といった多様なAI技術をOSのあらゆる場面に溶け込ませる。右クリック、設定変更、スクリーンショット。日常的な操作すべてにAIが寄り添う。それがMicrosoftの描く「Copilot+ PC」の真の姿だ。

15万円が変えるもの

2025年10月14日のWindows 10サポート終了まで、あと4カ月。Windows 10 ESUによる延命に年間4500円を払い続けるか、15万円でAI機能満載の新PCに買い替えるか。

過去モデルに付属していた永続版Officeが、新モデルではMicrosoft 365 Personal(24ヵ月分)に変更された点は残念だが、延命措置に毎年お金をかけるより新PCへの買い替えの方が合理的だろう。

チャットボットに話しかけるのではなく、普段の操作の中でAIが自然に支援する時代が始まった。右クリックメニューに「やりたいこと」が表示され、曖昧な記憶から過去の作業を瞬時に呼び出せる。6月3日時点で71機種が出揃い、各社がこぞってAI PC市場に参入した今、「AIネイティブ」な働き方への転換は、もはや未来の話ではない。15万円という価格は、その転換点を多くの人に開く扉となるだろう。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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