「ひどい会社だ」「個人事業主だから仕方ないのでは?」と賛否両論…。ウーバー「配達員に解決金」が全然笑えないワケ

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どうやらウーバー運営が、誤って他地域のクエストを全国配信したらしい。私はその日、少しだけ肩を落としながら自転車のペダルを回した(後日改めて神戸用のクエストが出現した)。

システム障害を疑いたくなる、注文数激減の現状

時給換算400円を切っている筆者の売り上げ(著者撮影)

物価高による国民の生活苦が影響しているのだろうか。ここ最近ウーバーの現場では、システム障害を疑いたくなるほど、注文依頼を知らせるアラーム音が「鳴らない」状況が続いている。

ウーバー配達員への仕事の割り振りは、人間ではなく機械が自動で行っている。注文依頼はいつ、どこで「鳴る」かわからない。

待てども待てども1件も注文が来ず、閑古鳥が鳴く状況に、システム障害を疑ってオンライン・オフラインを切り替える操作(パソコンで例えると、一度シャットダウンをして、再起動するイメージ)をしたことのある配達員は、私を含めて少なくないはずだ。

もちろん稼働地域や時間帯、天候や気温などにより、注文数(売り上げ)は大きく変動する。しかしこれは視点を変えると、悪条件が揃った場合、これっぽっちも稼げなくなることの裏返しともいえる。

筆者の配送実績。2キロ強の距離で、報酬は324円だった(著者撮影)

このトホホな状況は、ウーバーのシステム障害ではないけれど、システムそのものの脆弱性を露呈しているように私は感じてならない。

ウーバー配達員は1件あたり300〜500円前後の報酬で働いている。注文数が増加する、昼と夜のピークタイムだけ稼働するなら、まだ何とか「形」になるかもしれないけど……。

例えば15時や22時といった、注文数が減少する時間帯に稼働することは、労働者として割に合わなくなる可能性が生まれる。

ギグワーク、スポットバイトとはいえ、最低時給を大きく下回る状況が続けば、働く魅力は減少するだろう。

もしもピークタイム以外の稼働を控える配達員が増加すれば、配達員不足という形でウーバー利用者に「ツケ」が回ってくるかもしれない。

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