「同意なき買収」を巡って難しい立ち位置に立たされているメガバンクグループのジレンマとは?

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芝浦電子の争奪戦では同じ金融グループ内で銀行と証券会社が正反対の陣営にくみする構図にPhotographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

皆さん、こんにちは。布施太郎です。今月のニュースレターをお送りします。

人間関係では、八方美人は嫌われるというのが通り相場です。あちらにもこちらにもいい顔をする人は信用されない。二つの陣営に分かれて争っている時はなおさらです。

では、企業のM&A(企業の合併・買収)に置き換えるとどうでしょうか。もちろん、人間と企業とでは様相が異なります。大きな金融グループともなると、異なる部門や法人が束ねられて一つのグループを構成します。このため、情報隔壁を設ければ、顧客企業同士が対立するケースでも両陣営をサポートすることが可能です。

ただ、企業の経営を担うのは人。サポートする金融グループ内で情報共有されていないと分かっていても、受け入れることができるのかどうか。今回は、「同意なき買収」を巡って難しい立ち位置に立たされているメガバンクグループのジレンマに焦点を当てました。

両陣営に分かれたMUFJ

日本企業を巡り同意なき買収の動きが目立つ中、買収に関与する三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など3メガバンクグループも変容を迫られている。

メガバンクはもともと、対象会社の同意を得ない買収提案をする企業のアドバイザーに付いたり、資金を融資したりすることはまれだったが、関わる案件が少しずつ増えてきた。さらには、グループ内の銀行や証券会社が敵対する陣営に分かれて関与するという新たな局面も出てきている。

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