「ショールームへ火炎瓶」「サイバートラックに落書き」「充電ステーションを破壊」…マスク氏への反発止まらず、テスラへの抗議が過激化

ショールームへの火炎瓶、サイバートラックへの落書き、充電ステーションの破壊行為--。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対する反発は、テスラ車やディーラーに対する物理的な攻撃という形を取っており、抗議者の数が増加するにつれ、勢いづいている。一方、トランプ政権は暴力行為には法的措置を取ると言明している。電気自動車(EV)は政治的なシンボルとして見られるようになり、同社の何百万人もの顧客が争いに巻き込まれている。
トランプ政権内でのマスク氏の巨大な役割に対する国民の怒りに対し、大統領側近の対応も厳しさを増している。今週、ボンディ司法長官は、テスラの施設に対する攻撃は「国内テロに他ならない」と述べた。ラトニック商務長官はFOXニュースでテスラ株は買い得だと述べ、視聴者に購入を促した。トランプ大統領自身も先週、ホワイトハウスの外でテスラ車を購入してみせた。
マスク氏は「暴力」を繰り返し非難
マスク氏は、所有するX(旧ツイッター)上で「暴力」を繰り返し非難し、20日には、ショールームの全車両のセキュリティー機能をオンにしたと述べた。同日夜遅く、マスク氏は突然全社員ミーティングをオンラインで開き、同社の車が燃やされている様子は「アルマゲドン」のようだが、会社としては「全体的に良い」状況だと述べた。
ニューヨーク市ブルックリンからテキサス州オースティン、サンフランシスコ・ベイエリアまで、週末にショールームで計画的に行われる抗議活動には、毎週参加者が増えている。 「テスラ・テークダウン」と呼ばれる分散型のグループは19日、有名人や政治家、学者も巻き込んで参加を呼びかけ、これまでの活動で最大規模となる世界500カ所で、29日に抗議活動を行おうとしている。