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FX会社参入に高額講座も J-FLEC発足でも民間企業の積極参入で増殖する「金融経済教育」

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渋谷区の公立中学校で講義を行うトレイダーズ証券の井口善雄CSO
渋谷区の公立中学校で「為替」や「金利」について教えるトレイダーズ証券の出張授業の様子。昨年行われた同校への出張授業は計5回に及んだ(記者撮影)

政府による資産運用立国への取り組みなどから投資機運が高まる中、金融経済教育が熱を帯びている。2024年からスタートした新NISAなど個人が投資を始めやすい環境が整う一方、正しい知識を持たないまま投資で失敗するようなことになれば、せっかくの機運がしぼみかねない。

2024年8月には、政府のほかに日本銀行、全国銀行協会、日本証券業協会が出資する金融経済教育推進機構(J-FLEC)が本格始動した。企業や学校に講師を派遣する出張授業を展開するほか、中立的な立場にある認定アドバイザーが運用アドバイスを行う個別相談などを展開。出張授業で使用する「標準講義資料」もホームページで公開されている。

J-FLECによると、昨年8月に出張授業の受け付けを始めたところ、依頼件数が2025年3月時点で2700件に達した。講師派遣回数の年間目標1万回には及ばないペースだが、担当者は「高めの目標設定だったので立ち上がりにしては上出来。J-FLECへの期待の高まりを感じる」と話す。

FX会社が「為替」を講義

金融関連企業も、独自の取り組みとして金融経済教育を続々と展開している。渋谷区の公立中学校で1年生に向けて出張授業をするのは、FX(外国為替証拠金取引)などを提供するトレイダーズ証券だ。

「日本の政策金利は何%あると思う?」

2024年12月12日、トレイダーズ証券の外国為替ディーラーでもある井口喜雄CSO(最高戦略責任者)が出張授業で同校の教壇に立った。外国為替や金利の仕組み、投資が経済活動に及ぼす影響、長期にわたる資産形成の重要性などについて説明。生徒たちが興味をもって話を聞けるよう、アメリカのトランプ大統領就任が為替に与える影響など、最新のニュースも織り交ぜている。

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