「シャブ買うならカマ」と言われた大阪・西成の変貌 違法薬物の摘発は10年で362人→37人に激減

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ごみが散乱する三角公園
2016年当時、釜ケ崎の通称「三角公園」には、テントが並びごみが散乱していた(西成区役所提)
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「日本三大ドヤ街」の一つ、大阪市西成区の釜ケ崎。YouTubeなどで「治安が悪い」イメージがふりまかれる一方、近年は違法露店や覚醒剤の密売も激減した。
その背景には、2013年にスタートした大阪市による西成特区構想がある。それから10年余りを経て、何が変わったのか。新著『西成DEEPインサイド』から、一部を抜粋・編集して紹介する。

橋下元市長が始めた「えこひいき政策」

「日本が抱える問題の縮図」とも評される釜ケ崎。2013年に大阪市による西成特区構想がスタートし、行政と警察が不法投棄の防止や薬物事件の摘発、通学路の安全対策に取り組んできた。どう変わったのか。

釜ケ崎は西成区内にある0.62平方キロメートルの地域で、区全体の1割弱。行政用語で「あいりん地域」とも呼ばれる。

橋下徹・大阪市長(当時)は2012年、人や予算を重点的に投入して活性化とイメージアップを目指す意向を示し、「人と金を使って、えこひいき政策をする」と発言。翌年、釜ケ崎を中心とした特区構想が始まった。

同じ西成区でも地域によって受け止め方に差があった。元区幹部は「西成イコールあいりんではないのに、区全体のイメージが悪くなっていると考える区民も少なくない。あいりんに重点的に予算を投じることはおかしいという声にも配慮する必要があった」と振り返る。

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