人前での話 「うまく話すこと」より大事なこと 話を聞いた聞き手にアクションをとってもらう

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相手が第一印象を決める時間には諸説あります。「1分」という報告もあれば、「8秒」「15秒」などさまざま。いずれも最初の短時間であることに変わりはありません。最初が肝心です。

精神医学の研究家シュナイダーは、人の印象形成は6つの段階を踏んで認知されると説きました。これを「対人認知の6段階説」といいます。

<シュナイダーの対人認知の6段階説>
①注意:話し手の認知
②速写判断:話し手の第一印象
③原因帰属:話し手の行動に対する印象
④特性推論:①~③をもとにさらに推論
⑤印象形成:全体の第一印象を評価
⑥将来の行動予測:今後の人間関係を予測

ポイントは「やっぱり」です。堂々と人前に出てきた人は「自信がありそうな人」と感じられます。

「やっぱり」の積み重ねが人に行動を促せる

その人がつい、話す内容を忘れて同じことをくり返し(まるで忘れていなさそうに)言ったとき、聞き手は「丁寧に説明をしてくれている」と感じられます。

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逆に、書類を握りしめて誰とも目を合わせることなく人前に出てきた人が、同じことをくり返し言ったとしたらどうでしょうか。たとえわざと同じ話をしているように見せることができたとしても、「自信のなさそうな人」が話す内容を忘れてくり返している「頼りにならない人」として印象に残るに違いありません。

このように第一印象とは、段階を経て形成されています。ここで効果的に「やっぱり」を使えれば、「『やっぱり』丁寧に説明してくれている」というポジティブな印象にできますし、失敗すれば「『やっぱり』頼りない人だという」ネガティブな印象を持たせてしまうことにもなります。

この「やっぱり」の積み重ねが、あなたの話した内容がきっかけで人に行動を促せるかどうかを左右します。

第一印象によって、今後の人間関係が決まります。好印象を目指すだけではなく、今後の関係性も考慮したうえでふさわしい印象を仕掛けていきましょう。

矢野 香 国立大学法人長崎大学准教授・スピーチコンサルタント

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やの かおり / Kaori Yano

専門は、心理学・コミュニケーション論。NHKでのキャスター歴17年。おもにニュース報道番組を担当し、番組視聴率20%超えを記録。NHK在局中から心理学の見地からスピーチ研究に取り組み博士号取得。大学教員として研究をつづけながら「信頼を勝ち取る正統派スピーチ」を伝授。クライアントには、大手上場企業役員、経営者、政治家などエグゼクティブクラスのリーダーが名を連ねる。記者会見や株主総会、政治家の演説、有識者・著者の講演やメディア出演など、「ここぞ」という失敗できない場面を成功に導く実践的な指導に定評がある。

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