ほぼ黒塗り!半導体ラピダスへ「巨額支援」は正当か 経産省は前のめり、浮上した政府保証付き融資
2022年に設立され、最先端「2ナノ」世代の半導体の国産化を目指すラピダス。トヨタ自動車やNTTなど国内大手8社が出資する同社は、2027年の量産開始に向けて北海道千歳市に工場を建設中だ。
経済産業省はそのラピダスに対して24年4月に、最大5900億円の支援を行うことを発表した。これで累計支援額は9200億円にも上る。
「資金調達についてはこれからしっかりと考えていかなくてはいけない」。ラピダスは他社との提携など動きがある際に会見を行う。会見時にたびたび話題に上がるのが資金調達についてだ。記者から問われた際、小池淳義社長はそう語るようになっている。
「研究委託」という枠組みで行われる支援
近年膨らむ経産省による半導体産業への支援は、あくまで企業自身が行う設備投資への補助が中心だ。例えば、台湾の受託生産最大手TSMCが発表した熊本工場への200億ドル以上(約3兆円)の投資計画には、うち4割に当たる最大1.2兆円を支援。国内の装置・材料メーカーにも投資計画に比べて数割の助成を行っている。
その意味でラピダスが行ってきた資金調達は事情が異なる。まだ事業が立ち上がっていない同社に投資余力は皆無。同社への支援は、経産省が所管する独立行政法人であるNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から、ラピダスへの「研究委託」という枠組みで行われている。
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