物価と賃金の好循環、「エコノミストが懸念」の理由 SBI証券チーフエコノミストの松岡幹裕氏が解説
「物価と賃金の好循環は実現しても緩やかだろう」
SBI証券のチーフエコノミストの松岡幹裕氏はそう考える。30年ぶりの高水準となった春闘の賃上げ率について「少しミスリーディングだ」と断言する。
その理由について、松岡氏は「春闘の賃上げ率は労働組合に加盟している比較的若年、特に大企業を対象にしている」と指摘する。
「山型の賃金カーブ(縦軸に賃金、横軸に年齢)でみると、左側にいる人が対象になっており、その人たちは自動的に賃金が上がり高めになる。だが、右側にいる人は賃金が下がる局面で、さらにその人たちの人口に占めるウェイトが上がっていく」(松岡氏)。そのため、実際には「カーブ全体の加重平均をかけた伸び率をみる必要がある」と訴え、「左側だけをみていると、過大な期待が出てくる」と警鐘を鳴らす。
松岡氏は、さらに景気見通しにも言及。日銀の金融政策決定会合でマイナス金利解除は「時期尚早だった」と言い切る。
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